職業人生の充実で企業の発展を目指す山口市の社会保険労務士 うさみ労務経営事務所

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2008.09.11
管理監督者の定義に関する通達

厚生労働省は9月9日に通達を出しました。

 

ここには「管理監督者の定義」が決められています。

皆さんご存知のように、大手ファストフードチェーンなどの名ばかり管理職問題が

クローズアップされるようになり、小売業や飲食業などを中心に

これまでの「管理監督者」」の定義を見直す大手企業が増えてきました。

小売業、飲食業などでは、店舗に店長がいます。 しかし、実際は店長という肩書だけで

実態としてはほとんど権限を持っておらず、ただ長時間労働を強いられ、

かつ管理職は管理監督者と会社側はみなして残業代もつかない、

しかも店長と言っても、わずかな店長手当で一般社員とそんなに変わらない給与水準である、

などというケースがあり、次々と裁判に発展する事態となりました。

そして、今回の通達となりました。

これにより、「小売業、飲食業などの店長が管理職かどうか」の基準が明確になりました。

 

【 管理監督者性を否定する重要な要素 】

(1)職務内容、責任と権限

店舗に属するアルバイト・パート等の採用など人事に関する権限ががあるかどうか?

部下の昇給や賞与等を決定するための人事考課などを担当しているかどうか?

(2)勤務態様
管理監督者の場合、労働時間、勤怠に関して会社側に強制されず、

労働時間管理は本人の裁量に任されていることが前提になってくるので、

遅刻、早退等について給与額からこうじょされている、または人事考課で不利益な判断材料とされている

ような場合は、管理監督者性を否定する重要な要素となります。つまり、労働者とみなされるということになります。

(3)賃金等の待遇

長時間労働となっている場合、賃金を時間単価に換算したときに、

店舗のアルバイト・パート等の賃金に満たないような場合、

あるいは最低賃金額に満たない場合は、管理監督者性を否定する重要な要素となります。

たとえ役職手当等の支給があったとしても、割増賃金が支払われていない場合で、

年間の賃金総額が他店舗を含めた一般労働者とくらべて同程度以下の場合は、

やはり、管理監督者性を否定する要素をなり得ます。

この他にも、結局、仕事の内容が一般社員と同じなら、当然に管理職とはみなされません。

これらの要素を総合的に判断し、管理監督者か否かの判断をするのです。

 

 

今回の通達は、 特に多店舗展開する小売・飲食業等の店舗の想定で出されていますが、

その他の業種についても、参考になるといえます。

今後、管理監督者の判断を見直したほうが良い場合は早めの対応を検討されたほうがよいでしょう。

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